婚姻費用の新算定表について

婚姻費用の算定表とは何か

婚姻費用とは、簡単に言えば夫婦が結婚している間の生活費のことをいいます。

婚姻費用を算定するにあたっては,厳密には父母の総収入や子供の数,年齢という情報を計算式にあてはめ,その計算式によって婚姻費用を算出します。もっとも,簡易・迅速に計算できることが必要であること,また一般の方でも簡単に婚姻費用を算出できるように、父母の収入金額や子どもの数と年齢だけで、迅速に確認できる早見表が裁判所においては活用されています。

実際の調停の現場においては,多くの場合この算定表を調停委員が見ながらその表に沿った金額で双方を説得し,金額が合意されることがよくあります。

以下のリンクから新算定表をみることができます。http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

 

今回新算定表が公表された経緯

従来の算定表は、約16年近く前に公表されたものでしたが、裁判所実務ではこの算定表を基に、婚姻費用の額を判断していました。

ただ、旧算定表が公表されてから16年余りが経過し、近年は社会情勢が変化し、現在の生活実態にあっておらず,婚姻費用の金額が低すぎる等の批判が出ていました。また、成年年齢の引き下げによる影響も検討する必要がありました。

そこで,令和元年12月23日に改定標準算定表(令和元年版)が発表されました。

現在は,婚姻費用の調停・審判の現場においても,この算定表にそって,金額を提案するように裁判官からも指導され始めています。

 

旧算定表と新算定表の違い

新算定表も、従来のものと基本的な枠組みは同じで、いわゆるそれぞれの収入に応じて算出する型が採用されています。

また、旧算定表と同様に、権利者(婚姻費用をもらう側)と義務者(婚姻費用を支払う側)の収入、子供の数と年齢をもとに、早見表によって、簡易迅速に算出することが可能です。

さらに,収入については、旧算定表のときと同様に、給与所得者の場合と、自営業者の場合に分けて、算出するようになっています。

すなわち、新算定表になっても、旧算定表と基本的な枠組みが変わらないので、早見表の見方は変わりません。しかし、統計資料等については、最新のものをもとに更新されていることから,具体的な数字が異なってきているといえます。

多くのケースで,婚姻費用が増加することがありますので注意が必要です。

 

これまでの婚姻費用を新算定表をもとに変更できるのか

新算定表は、旧算定表よりも婚姻費用の額が高額になる場合が多くあります。

それでは、過去に協議や調停において婚姻費用を取り決めしていた場合、これを増額することは可能でしょうか?これについて、最高裁判所は、「本研究の発表は、婚姻費用等の額を変更すべき事情変更には該当しない」と明示しているので算定表の変更をもとにするだけでは,変更は難しいといえます。

●夫婦共に給与所得者の場合

  • 妻:給与所得者(前年度年収 120万円)
  • 夫:給与所得者(前年度年収 700万円)
  • 子ども:男の子3歳 女の子1歳

 

 

 

 

●夫が自営業者,妻が給与所得者の場合

  • 妻:給与所得者(前年度年収 120万円)
  • 夫:自営業者(前年度年収 700万円)
  • 子ども:男の子3歳 女の子1歳

 

 

 

 

*基本的に,婚姻費用を払う方の年収が高いケースにおいて違いが出てきます。

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