医師のための離婚相談

一般的に「医師・医者」と呼ばれる方はサラリーマンと比べて高収入な方が多いといえます。

それゆえ,離婚となったときも、高収入であるがゆえに、相手方からの財産分与の請求が多額となります。財産は預貯金や不動産だけではありません。

保険の解約返戻金や医療法人の持分等も請求の対象とされることがあります。正確な専門知識を持っていないと、日常の忙しさもあり、気づくと相場より不利な条件で合意をしてしまうことがあります。

このように、医者・医師の離婚においては、他の職種とは異なり、特に気を付けなければいけない点がいくつかあります。

この点,両性の平等が尊重される現代においては、妻が専業主婦であったか否かを問わず、財産分与割合を原則として2分の1ずつとする(いわゆる2分の1ルール)点がほぼ確立しています。

しかし、結婚する前に自身が相当な努力をして医師・医者になることができ、その努力の為に結婚後も多額の財産を形成することができたのだとすると、機械的に2分の1ルールを適用するのはあまりにも不合理な気がします。

実際、近年の裁判例でも、夫が医師の資格を獲得するまでの勉学等について婚姻届出前から個人的な努力をしてきたこと、婚姻後に医師資格を活用し多くの労力を費やして高額の収入を得ていることを考慮して、夫の寄与割合を6割、妻の寄与割合を4割とすることは合理性を有すると判示して、2分の1ルールを修正したものもあります。

また,医療法人を設立している場合、同法人に対する出資額を財産分与の際にどのように考慮するかが大きな問題となります。通常、医療法人では、医療法人の利益処分等について法理上の制限が課されている為、純然たる個人資産と同視することはできません。

実際、法人としての実体を有する医療法人について、近年の裁判例には、このような考えを取り入れ、医療法人の保有資産を夫婦という個人間で全て清算して分配するかのごとく取り扱うのは相当とはいえず、医療法人の保有資産を財産分与の基礎財産とすることはできないとしたものがあります。

このように、医者・医師の財産分与を検討するにあたっては、専門家の関与が必要不可欠であると思います。

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